共感
2026-02-27
冬の終わりと新しい季節の入口を告げる節目である立春(2月4日)が過ぎ、暦の上ではすでに春が始まっている。
とはいえ、まだまだ空気は冷たく、朝、布団から出るのに一苦労する。
寒い時期に思い出す歌がある。「『寒いね』と話しかければ『寒いね』と答える人のいるあたたかさ」歌人の俵万智さんが、歌集「サラダ記念日」で歌った一句。
寒い時、何気ない会話の中で、そのままの思いを共感してくれる人がいてくれる。
それだけで、身体は寒いままで心はあたたかくなる。
逆に、誰にも共感してもらえないことは、とてもつらい。
一度も共感してもらえなかったら、「痛み」は心に残ってしまう。
やがて、心の中が痛みや悲しみ、寂しさで一杯になってしまい、ある日、器をひっくり返して、空にするかのように大きな問題(事件)を起こしてしまったり、耐えきれずに自ら生命をたってしまうことも…。
御同朋の社会を目指すために、共感力を高めたい。
同情ではなく。
同情は、「かわいそうに」と思う気持ち。
優しさではあるけれど、どこか安全な場所から見ている感覚。
一方、共感はもう少し近い。
「つらかったね」、「そんな思いなんだね」と、相手の隣に腰を下ろして寄り添う感覚。
人は、他者の思いを完全にわかってあげられることはできない。
答えは出せないかもしれない。
でも「わかろう」とすることはできる。
もしかしたら、その姿こそが何より大切なのかもしれない。
ただ、静かに隣にいられる人でありたいと思う。



