理事長コラム

キラリグッド/沁みることば

自己決定

2026-09-18
自己決定
先日、茨城県つくば市で開催された「2026全国子ども家庭養育支援地域ネットワークセミナー茨城大会」に参加しました。
 
その中で、「私たちの育ちをささえたもの」というテーマで、ご自身が児童養護施設で生活されていた元高萩市長の草間吉夫さんと、「こうのとりのゆりかご」に最初に預けられ、その後、里親家庭で生活された宮津航一さんの対談がありました。
 
現在、社会で活躍されているお二人のお話を伺う中で、共通していることがありました。
 
それは、携わってくれた大人や支援者の方々から、
「こうしなさい」
「ああしなさい」
と、一方的に指示されたことがなかったということです。
 
もちろん、「こんな方法もあるかもしれないね」という提案はあったそうです。
 
しかし、進路をはじめ、人生のさまざまな場面で、自分自身が選び、自分自身で決めてきたという自覚を、お二人とも語っておられました。
 
バイステックの7原則の一つに「自己決定」があります。
 
自らの人生を、自らのものとして生きていく。
 
誰かの人生ではなく、自分自身の人生をより良いものにしていくために、「自分で選び、決める」ということは、とても大切なことなのだと、あらためて感じました。
 
人は、1日に約35,000回もの選択や決定を繰り返しながら生きているとも言われています。
 
「朝起きて、まず何をするか」
「何を食べるか」
「食事の後に何をするか」
日常の中で、私たちは実に多くの自己決定を繰り返しています。
 
以前、ある研修会で、
「野生の動物と動物園の動物では、どちらが長生きするでしょうか?」
という問いがありました。
 
答えは、野生の動物だそうです。
 
野生の動物は、弱肉強食という厳しい環境の中で、命を守るために、自ら考え、判断し、行動することを迫られます。
 
そこには、適度な緊張感と、自らの力で生きるという感覚があるのかもしれません。
 
翻って、私はどうだっただろう。
 
子どもたちに「こうしなさい」「ああしなさい」と指図や指示を繰り返し、知らず知らずのうちに、子ども自身の成長を邪魔してはいなかっただろうか。
子どもを思うあまり、先回りして答えを与えてはいなかっただろうか。
 
子ども自身が、より良い人生を送っていくために。
 
その子が何を思い、何を望んでいるのか。
 
その思いを想像し、察し、慮りながら、必要なときにはそっと提案し、そして本人の選択を尊重する。
 
「支える」とは、すべてをしてあげることではない。
 
その人が自分の人生を自分のものとして歩んでいけるように、寄り添い、見守り、必要なときに手を差し伸べることなのかもしれません。
 
お二人のお話を伺いながら、これまでの自分自身の関わり方を振り返り、そして、これからの子どもたちとの関わりについて、あらためて考えさせられた貴重な時間でした。
 
「あなたは、どうしたい?」
 
その問いを大切にできる大人でありたいと思います。
社会福祉法人社会的養育総合支援センター光明童園
児童養護施設 光明童園

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