キラリグッド/沁みることば
万引きと謝罪
2026-09-25
あるテレビドラマの一場面。
万引きをした女子高校生は、店の人に「早く帰らせてください」と繰り返すばかりで、謝ろうとしない。
かけつけた担任教師は、店長に頭を下げた後、「5分だけ二人で話をさせてください」と願い出る。
教師はうつむく少女に向かって、「万引きをするほど苦しい思いをしていたことに気づいてあげられ
なくて、ごめん」と詫びた。
少女は、その一言に驚き、顔を上げ、涙ながらに事情を話した。
幼い頃に両親を亡くし、代わりに育ててくれた祖父が認知症を患い、その介護をしながらアルバイトで生活を支えていたこと。
万引きしたのは生理用品だった。
このシーンが多くを教えてくれる。
万引きは許されないこと。
しかし、表の犯罪行為だけを見ていると、その裏にある苦しみは見えてこない。
人は誰もが煩悩を抱え、縁によって迷い、過ちを犯す存在である。
その過ちは何も犯罪だけに限らず、普段の生活にもそれはある。
だからこそ、「なぜ、その人はそうせざるを得なかったのか」という眼差しが必要となってくる。
阿弥陀如来は決して私を責めることはない。
ただ「あなたの苦しみ、わかっているよ」と寄り添ってくださる。
その温もりにより、閉ざされた心が開かれていく。
人を変えようとする前に、自らが頭を下げる、
気付けなかったことに謝ることのできる人間でありたい。
それは、仏の慈悲をいただく中で、自らの愚かさを知らされるところから始まる。








