園長コラム
キラリグッド/沁みることば
心の通い合った沈黙
2021-01-01
施設では、お盆とお正月に、子どもたちは家族の元に帰ります。
みんなよろこんで帰って行きます。
しかし、中には帰ることができない子どももいます。
いつも賑やかなホームが静かになり、寂しそうな表情を浮かべる子どももいます。
この時期に必ず思い出すのが、前園長のつぶやきです。
「この時期が一番辛くて、一番好かん…」
家に帰れない子どもの思いを想像し、察し、慮っていたのでしょう。
その思いを受け継ぎ、今年も、残った子どもたちの寂しい思いが少しでもまぎれるようにと、それぞれのホームの職員が趣向を凝らし、買い物、映画、外食などに出かけました。
買い物ではたくさん置いてある玩具の中から自分の好きな物を目を輝かせて選び、帰園後、早速遊んでいました。
夕食はテイクアウトしたお弁当を食べ、「お腹いっぱい…」とぜんぶ食べることはできませんでしたが、
「今日はごちそうが多いね」と嬉しそうでした。
2021.1.8 寂しいけれど、その寂しさを分かろうとする人がいてくれれば、寂しいままで、温かな気持ちになれるのかもしれません。