園長コラム
キラリグッド/沁みることば
意地悪虫
2022-03-18
小学生の男の子たちが、園庭で鬼ごっこをして遊んでいました。
その際、ケンカが起き、小学2年生のてつや君(仮称)が、石を投げて、玄関のガラスを割ってしまいました。
職員のとよみさん(仮称)と一緒に片付けをした後、ホームに戻り、振り返りをしました。
<石を投げることはいいこと?>
「ダメ」
<ダメと分かっていて投げたのはどうして?>答えることができません。
<石を投げることはとても危険なこと。今回は、ガラスだったから割れてしまったけど新しい物に交換ができる。でも、人に当たっていたらどうなった?>
「血が出る」
<血が出るだけならまだいいかもしれない。もし目に当たったら目が見えなくなることもある。頭にあたったら死んでしまうことだってある。それくらい危険なことだよ>
小さな声で「はい‥」と答えました
これから、
■石は投げないこと
■ホームの担当のなつきさん(仮称)には自分でガラスを割ったことをお話しすること
を約束しました。
<今日は朝から何度も喧嘩している様だけど、てつや君の心の中に意地悪虫がいるのかな?>
小さく頷きます。
<どうしたら意地悪虫はいなくなるだろうね?>
「優しくする」と答えました。
<みんなに「いいよ」って言ってあげられるといいよね>と伝えると頷いていました。
その後、出勤してきたなつきさんのもとに自分で報告にきました。
「ガラス…割っちゃった…」
<てつや君にケガはなかった?>に頷きます。
<じゃあ、他の人にもケガは無かった?>にも頷きます。
<ガラスに当たって割ってしまうのももちろんいけないことだけど、てつや君や他のお友だちにケガがなくて良かったです。これからは遊び方に気を付けてください>
「分かった」と返事をすることができました。
<話しにくいことだろうけど、頑張って話にこられて偉かったね>と褒めると笑顔でうなずくてつや君でした。
2022.3.18
イライラしたり、ムシャクシャしたりすると、してはいけないことをしてしまうのが子ども(人間)です。
その行動の結果が、その子(人)の全てではありません。
自分の中に潜んでいる「意地悪虫」をできるだけ客観的に見られるようになることが「成長」と言えます。
成長するためには、寄り添い、教えてくれる人が必要です。