園長コラム
キラリグッド/沁みることば
自分のブレーキ
2023-07-14
中学1年生のあれん君は、たまに学校に行けない日があります。
登校しようか悩んでいる朝、あれん君と職員のいつきさんで話をしていると
「どうしようかな…、休むとゲームできないしな…」とつぶやきました。
先日、あれん君は、『次に学校を休むとゲームができない』というルールを自分で決めていました。
<あれん君の中でルールって、何かを禁止したりするペナルティみたいな、嫌なことになってない?>
<ルール作りした時、きついなって思わなかった?>
「そうだね。正直、無理って思った」
<少しあれん君にとってはきつい話になるかもしれないけれど、この前、『家でのルールが厳しくて嫌だった』って話をしてくれたでしょ>
「あの頃が一番きつかった。」
<家でのルールも厳しい事がいっぱいあったんじゃない?>
「あった、めっちゃ嫌だった」
<今、ホームで作ってるルールがあれん君にとってゲームが禁止になる嫌なルールになってるのは、お家での厳しいルールのこと、それを守らないと怒られるっていう嫌な記憶と重なってると思うんだよね>
「それもあるかもしれん」
<職員がやりたいルール作りは、今後、あれん君が大人になっていくまでに困らないように、何か嫌だけどしなくちゃいけないことが出てきた時に、諦めて投げ出したりしないように、あれん君へのブレーキになればいいなって考えてるんだよね>
<でも、職員だけであれん君へのブレーキを作ってしまうと、そこにあれん君の意見がないから、またきついルールになってしまうかもしれない>
<だから、ゲームのルールについては、あれん君の意見と職員の意見を入れて、きつくて嫌なルールじゃなくて、自分のために無理なく守れるものを考えようか?>
「うん、まあ、そうしよっかな」と表情よく、納得するあれん君でした。
2023.7.14
子どもたちに、しあわせな人生を送ってもらうために。
いろんな選択肢の中から、その時の最善(ベター)を自分自身で選択できるようになってほしいです。
そのためには、自分でルールをつくり、自分でブレーキをふみ、自らを律する体験の積み重ねが大切です。
そして、失敗も含めて、それに寄り添う存在が不可欠です。