園長コラム
キラリグッド/沁みることば
怒りのコップ
2023-08-25
小学4年生のせいじ君は、最近、イライラしていて落ちつかず、他児とのトラブルがたえません。
職員のそうまさんは、せいじ君を部屋に呼び、<最近、なんか、イライラしているみたいだね>と声をかけました。
そうまさんは、持っていたコップに水を注ぎながら
<せいじ君のイライラが、この水みたいに、溢れているみたいだね>
<なにがあっているのかな?>と尋ねると
「だって…、たいち君が…」と、いつもケンカをするたいち君たちの名前を出し、イライラした出来事を話してくれました。
すると、その後、「お母さんところに帰りたい…」とさみしそうにつぶやきました。
<そうだったんだね、そんな思いだったんだね>と、その度に思いに共感しながら、コップに水を注いでいくと、
水が溢れてしまいました。
<水が溢れて、こぼれてしまったね>
<せいじ君のイライラも、コップから溢れてしまって、たいち君たちを叩いてしまったと思うんだ>
<せいじ君のイライラのコップの水はなくすことは、難しいかもしれないけど、減らすことができないかなぁ?>と、そうまさんは、コップの水を飲んでみせました。
それを見たせいじ君が、「これからは、そうまさんに言う…」とつぶやきました。
<ありがとう、解決できないこともあると思うけど、話をしてくれると、いっしょにコップの水を減らすことが出来るから、その手伝いをしたいと思っているよ>
「うん」とうなずく、せいじ君でした。
2023.8.25
まだまだ小さな身体と心の中では、今までのこと、家族のこと、これからのこと等、いろんな思いがうごめいているのでしょう。
そんな子どもたちが、少しでもおだやかで、ちょっとでも笑顔でいられるように、できることを考え続けます。