園長コラム
キラリグッド/沁みることば
悲しいんじゃない?
2023-09-15
小学4年生のにちかちゃんの部屋から、ドンドンと大きな音が聞こえたため、職員のなつみさんが見に行くと、筆箱の中の鉛筆を扉にどんどん投げつけていました。
<どうしたの?>と尋ねますが、答えず、壁を足でドンドンしはじめました。
しばらく、そばで見守って
<にちかちゃんの足も、壁も痛くなっちゃうよ>と伝えますが、やめません。
机の上に、教科書とノートが広げてあったので
<いっしょに宿題をして欲しかったかな。気づけなくてごめんね。誰もいなかったもんね>と伝えると、次第に落ち着いてきましたが、表情がどんよりしています。
<なんだか『悲しい』って顔してるよ。本当は怒ってるんじゃなくて、悲しいんじゃない?>と伝えると、ポロポロ泣き始めたので、涙を拭いてあげ、頭を撫でてあげました。
その後、なつみさんは用事があり、職員のねいかさんに引き継ぎました。
ねいかさんが声を掛けると大声で泣き始め、しばらくねいかさんの膝の上で泣き続け、その内、少し落ち着いてきました。
<泣き止んで、落ち着いたらご飯食べよう。泣いてた理由も、あとからでいいから教えてね>と伝え、一度そばを離れました。
夕食後、ねいかさんが食器を洗っていると、
「あのね。さっき泣いてた理由ね。(妹の)ののかと離れるのが寂しかったからだよ。ののかと違うホームなのが寂しい…」と教えてくれました。
※最近施設にやってきたののかちゃんは、お部屋の都合で違うホームで生活を始めています。
<教えてくれてありがとう。話せてえらかったね>と伝えると「ウフフッ」と笑っていました。
2023.9.15
子どもたちの行動には、必ず理由がありますが、それを察するのは、なかなか難しいことです。
でも、あきらめずに、チームで、知恵を絞って、寄り添っていきます。
きっと、いつか、子どもたちに伝わると信じて。